「瞑想を始めてみたい」
そう思うものの、始めるのにちょっと抵抗を感じる人は意外と多いのではないでしょうか。
というのも、まず何をしたらよいかも分からず、始めてもうまくできているかすら自信が持てずで。
また時間がない人にとっては、瞑想のための時間を作ることすら大変と感じてしまうかもしれません。
「瞑想するぐらいなら睡眠時間が欲しい」という人もいるかもしれませんね。
しかし瞑想の効果を知っている身からすると、そのような理由で諦めてしまうのは、とてももったいないことだと感じてしまいます。
実際に瞑想を始めてみればそんなに難しいものでもないし、短時間で気楽に続けられるものなんですけどね。
今回は
「瞑想をちょっと気軽に試してみたい」
とか
「瞑想をしたいけど時間がない」
という人でも、簡単に始められる食事瞑想とムーブメント瞑想についてお話していこうと思います。
目次
ちょっと変わった瞑想の方法
通常の瞑想というのは、自分の呼吸に意識を集中して行うのが一般的ですよね。
瞑想の詳しい方法を知りたい方は、以前書いた瞑想についての記事も読んでみてくださいね。
瞑想の効果を生かして潜在意識と繋がっていきましょう
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瞑想は呼吸に集中する方法が一番王道ではあるんですが、それ以外にもちょっと変わった方法があるんです。
それが先ほど出てきた食事瞑想とムーブメント瞑想というものです。
瞑想自体の本来の目的は
雑念を振り払って、今の自分に集中すること
と言えます。
過去や未来のことをいろいろ考えてしまうのが、いわゆる"雑念"とも言えますからね。
いまに集中していれば、そのようなことも出てこなくなるはずです。
"いまの自分に集中する"のに呼吸以外の方法でアプローチするのが、今回取り上げる食事瞑想とムーブメント瞑想になります。
それではここからそれぞれの具体的な方法や効果について触れていきましょう。
食事瞑想(マインドフル・イーティング:Mindful Eating)について
食事瞑想はその名の通り"食事をしながら行う瞑想"です。
しかし通常の瞑想のように呼吸に集中するのではなく、食事に集中するということがポイントとなります。
では具体的な方法などについて順に述べていきましょう。
食事瞑想のやり方
食事瞑想は、食事の内容やいつするかなどの決まりは全くありません。
やるべきことは以下の通りです。
・目の前の食事を、初めてのもののように感じてしっかり観察する
・食事をゆっくりと口に入れ、味やにおい、舌触りや歯ごたえなど十分に味わうようにする
・食事中は食事にだけ集中し、ほかのことを考えたりしない
たったこれだけのことです。
食事をする機会は誰しも一日数回はあるはずですから、時間がない人でも必ずできますよね。
食事の内容については、できれば季節の旬のものの方が良いとも言われています。
またゆっくり味わいつつ、一口につき30回ぐらい噛んでから飲み込むようにします。
だから食事のペースとしては、ちょっとゆっくりめになるかもしれませんね。
食事瞑想の効果
食事瞑想をすることで、食事中は完全に食事にのみ集中できているはずです。
ですから、通常の瞑想と同じような効果が得られるとのことです。
ただそれだけではなく、ゆっくり食事することで
ダイエット効果も得られる
というのです。
これは見逃せないですよね!!
ゆっくり咀嚼しているうちに、満腹中枢が刺激されてあまりたくさん食べられなくなるというのです。
また食事をしっかり味わうことで、食事に対する満足度が上昇するというメリットもあります。
ムーブメント瞑想(Movement meditation)について
ムーブメント瞑想というのは、自分のからだを動かしながら行う瞑想です。
動かすといっても、激しい運動をしたりするものではありませんのでご安心を。
むしろどちらかというとゆっくり行う運動が中心となります。
ムーブメント瞑想のポイントは、自分のからだの動きに意識を集中するということです。
ムーブメント瞑想の代表的なものには歩行瞑想というものがあります。
歩行瞑想は、グーグルの社員研修プログラムSIY (Search Inside Yourself)でも実践されています。
そうやって聞くと「なんか効果あるかも?」って感じてしまいますよね(笑)
そのほか"ヨガ"もムーブメント瞑想の一種になります。
ムーブメント瞑想のやり方
ここでは代表的な歩行瞑想を例に説明していきましょう。
ポイントは先ほど説明した通り、自分のからだの動きに意識を集中することになります。
・体の力を抜いてリラックスする
・ゆっくり歩行を始める
・足の動きや足の裏が地面に触れる感覚などをしっかり感じる
・歩行とともに、重心が左右に移動しているのを感じる
・重心が変わることで膝や股関節、肩や上肢の動きがどうなっているかも感じる
このような流れで進めていきます。
歩行瞑想自体は、時間は10分ぐらい行えばOKです。
もちろんさらに長い時間続けてもらっても問題はありません。
歩行も毎日どんな人でも必ずしますよね。
ですから、時間がない人でも間違いなく毎日できる瞑想と言えます。
ムーブメント瞑想の効果
ムーブメント瞑想についても、通常の瞑想と同等の効果があるとされています。
さらに運動自体によるリラックス効果や、脳の活動性をアップさせる効果も期待できます。
また体を動かすことで、食事瞑想同様にダイエット効果も多少は期待できそうです。
ただしあまり激しい運動や素早い動きの運動については、ムーブメント瞑想には向いていません。
だから体を鍛える目的にはムーブメント瞑想は使えないということになりますね。
"ながらスマホ"は瞑想に逆行している?
ここまで食事瞑想、ムーブメント瞑想について取り上げてきました。
この食事や歩行と言った動作、よく考えてみると
最近はスマホをしながらしている行為
だったりしませんか?
食事しながらスマホ、歩きスマホ、やっていたりしませんか?
そういう自分もついやってしまっているのですが(^^;;;
このような"ながらスマホ自体"が、どうも脳を疲れさせる原因となっているようです。
というのも、マルチタスクの作業をしている時というのは、デフォルトモードネットワークが活発に活動しているのです。
以前のデフォルトモードネットワークの話で、"脳の60-80%がデフォルトモードネットワークによって消費されている"というのがありましたよね。
つまり
デフォルトモードネットワークを無駄に働らかせることで、脳が疲れてしまう
ということが知らず知らずのうちに起こしてしまっているというわけです。
だからよく"ながらスマホ"をしている人は、"ながらスマホ"をやめるだけでも脳の疲れを軽減させることができるかもしれません。
食事瞑想やムーブメント瞑想を始める前に、まずはスマホ断ちをするだけでも効果が実感できるかもしれませんよ。
デフォルトモードネットワークについて詳しく知りたい方は、以前の記事も見てみてくださいね。
【DMN】デフォルトモードネットワークとは? 分かりやすく解説してみます
続きを見る
時間がないけど瞑想をしたい人にはぜひおすすめの瞑想法です
というわけで、今回は食事瞑想とムーブメント瞑想についてのお話でした。
食事や歩行は、日常生活と切っても切れない縁のある活動ですよね。
どのような人にも、必ず一日のうちにある程度の時間は食事・歩行に時間を割いているはずです。
その時間を瞑想、しかもただその行動に集中することだけに使うのであれば、誰でも簡単にできそうな気がしませんか?
食事瞑想は、あくまで食事に集中して良く味わって食べるだけです。
それだけでダイエット効果もあったりしたらうれしい話ですよね。
ムーブメント瞑想、特に歩行瞑想は自分が歩行していることに集中するだけです。
運動によるリラックス効果も得られるので、こちらも一石二鳥となるはずです。
また最後に触れたように、常に"ながらスマホ"をしている人。
このような人は、食事や歩行の際にスマホ断ちをするだけでも、脳の疲れを軽減させる効果が得られるかもしれませんよ。
"瞑想に興味があるけど、いきなり気合を入れてやるのは…"って方。
ぜひまずこの2つの瞑想法から試してみてはいかがでしょうか?
もし効果が実感できたなら、本格的な瞑想に移行していけばOKですので。
気軽に始められる食事瞑想とムーブメント瞑想、ぜひ試しにやってみてくださいね(^^)