健康・脳科学

脳卒中は冬に多いのでご注意を

12月も終わりが近づくにつれ、寒さも次第に増してきましたね。

 

それに伴って心配されるのが

脳卒中の発症

なんですよね。

 

実際に医療現場にいると、明らかに冬場は脳卒中がたくさん発生しているということを身をもって感じます。
今回は脳卒中とその発症する季節について見ていこうと思います。

 

脳卒中とは?

 

皆さんが良く耳にすると思われる脳卒中という言葉。
具体的にどのような病気なのかご存知でしょうか?

 

実は脳卒中と言っても1つの病気ではなく、大きく分けて3つの病気に分けられています。

 

1.脳梗塞

脳梗塞は脳の血管が詰まってしまって、血液が届かなくなることで、脳細胞が死んでしまう病気です。
梗塞というのは、血流が行かなくなって細胞が死んでしまうことを言うものです。
別名"虚血性疾患"とも呼ばれます。

 

よく聞かれる心筋梗塞というのも、心臓の血管が詰まって血液が行かなくなって、心臓の細胞が死んでしまう病気ですよね。

 

脳梗塞の中にも、ラクナ梗塞、アテローム血栓性脳梗塞、心原性脳梗塞と別れるのですが、詳細はまたどこかでお話しましょう。
とりあえず血管が詰まって起きる病気とご理解ください。

 

2.脳出血

脳出血は、脳の血管が破綻してしまうことで、脳の中に出血してしまう病気です。
多くの場合は、血圧が上昇することによって、それに耐えきれなくなった細い血管が破綻して生じてしまいます。

 

それ以外にも、出血の原因となるような病気(脳動静脈奇形などの血管奇形や腫瘍)がもともとあって、そこから出血することも稀にはあります。
しかしほとんどは、高血圧が原因の出血と言ってよいでしょう。

 

3.くも膜下出血

これは脳の表面を覆っている"くも膜"という膜の下に出血が広がるため、このように呼ばれています。
くも膜の下には、脳のある程度太い血管が走行しているのですが、そこから出血することで生じます。

 

くも膜下出血の多くは、もともと脳動脈瘤を持っていて、それが破裂することで起きてしまいます。
動脈瘤が破裂した場合、1/3ぐらいの方は亡くなってしまい、1/3ぐらいの方は後遺症を残してしまうという恐ろしい病気でもあります。

 

だから"脳ドックで事前に動脈瘤を発見しておきましょう"という話が出てくるわけですね。

 

脳卒中と季節について

以上に挙げた脳卒中なんですが、脳梗塞については、夏場に多いという話もあります。
たしかに脳梗塞については、脱水になったりすることで発症を誘発してしまうこともありますからね。

 

しかし脳出血、くも膜下出血は明らかに冬場に多いんです。
特に脳外科医はこの脳出血、くも膜下出血に関わるケースが多いんですが、入院する人もこの時期は格段に増えてくるのですよね。
だから冬場はある意味戦々恐々としているわけです。

 

ちなみに脳卒中について詳しく知りたいという方は、日本脳卒中データバンクのページを見られても良いかと思います。
一般の人でも、いろいろなデータを見ることができます。

 

特に日本脳卒中データバンク2019年報告書には、月別の発症件数なども記載されています。
こちらのリンクは、12月分については登録がまだしっかりされていないデータのようです。
だから12月の件数自体は少なくなっていますが、それでも全体的に見て冬場に多いというのは何となく分かってもらえるかと思われます。

 

なぜ冬に脳卒中が増えるのか

 

なぜ脳卒中が冬に増えるのかって、やはり気になりますよね。

 

その答えは

血圧が上昇しやすいから

なんですね。

 

冬になって寒くなると、血圧って上昇してくるんですよね。
特に暖かいところから急に寒いところに出たりすると、急激に血圧が上がることがあります。
この血圧の急激な変動がとても危ないのですよ。

 

とくに、もともと血圧が高めの人なんかだと、突然血圧が200を超えるぐらいまで上昇してしまうこともありますから。
そんな急激な血圧の上昇が起きてしまうと、血管がその血圧に耐え切れずに破綻してしまうってことも当然起こってしまうわけです。

 

また脳卒中を起こしやすい場所としては

風呂やトイレ

なんかも、実際に臨床をしていてい多い気がします。

 

風呂に入る前の脱衣場が寒かったり、トイレも暖房が効いていないと、血圧が大きく変動してしまうんでしょうね。
こういった温度差の激しい場所は要注意です。

 

寒いところに行ったりする際には、できるだけ暖かい服装をしたりして、血圧が大きく変動しないように気を付けた方が良いってことですね。

 

冬場の血圧管理にはぜひ気を付けましょう

 

だから"血圧を普段から低くしておきなさい"というのは、たしかにそのとおりではあるんですよね。
実際に血圧管理が昔と比べて良くなってからというもの、日本における脳卒中発症率は下がっていますからね。

 

また脳卒中ガイドラインでも、当然のことながら血圧管理は"グレードA"として非常に重要視されています。

 

とにかく冬に脳卒中を発症しないためには、血圧をしっかりコントロールしておくことが大切であることは間違いありません。
自分も外来で患者さんにお話する際には、血圧の管理の重要性をいつも口酸っぱく言っていますからね。

 

脳卒中を患ってしまうと、後遺症が残ったりして、その人の人生を大きく変えてしまうこともあります。
そうならないためにも、冬場は特に血圧に注意して生活されるようにしてくださいね。

この記事が気に入りましたら、
1日1回下のバナーをクリックして下さると、とっても喜びます♪

-健康・脳科学
-,

© 2021 脳とこころと幸せと