教育

医者を目指す子供が身に着けておきたいこと①

自分の子供さんを医者にさせたいという方、以前にもまして多くなってきているようですね。
昔から医者の親は、子供も自分と同じ職業である医者にさせたいという人が多いのは間違いありません。
これまでは開業医の先生なんかだと、自分のあとを継がせるという意味もあったんだと思います。
しかし最近では、勤務医の先生でも自分の子供を医者にしたいという人が増えてきているようです。
実際に自分の周りでもそういう人が非常に多いです。

 

それだけ医師という職業が魅力的ということでもあるんでしょうね。
たしかに資格さえ取ってしまえば、まず現状では職を失うようなリスクはほぼありませんから。
そういった安定を求めるという意味においては、現在は公務員以上と言えるかもしれません。

 

ただし医師になろうと思うと、まずは医学部に入学することが第一の難関となってきます。
これが一番難しいということは間違いないでしょうね。
一昔前に比べたら、医師不足の影響で医学部の定員は増えてきていますが、それでも狭き門ですからね。

 

だからまずは医学部に入ることが第一目標となってくるわけです。
しかし医学部に入って、医師国家試験に受かって、晴れて医者になったとしても、必ずしも医師に適していない人も出てくるもの。
そうなると、その人にとっては非常に不幸な人生を送らないといけなくなる可能性もあるんですよね。

 

医学部に合格することについては、ある程度の受験のテクニックさえ身につければクリアできてしまうと思われます。
そうはいっても、それはそれで大変なことなんですけどね(^^;

 

今回はそこからさらに一歩踏み込んで、医者を目指すなら必ず身に着けておきたい能力について書いていこうと思います。
逆に言えば、"その能力を身に着けていないと、医者になってもうまくいかないよ"っていうことにもなります。
医師に不適格ということにもなりますし、多分医者になっても辛い思いをすることになりかねないですから…。

 

というわけで、医者を目指すのであれば身に着けておきたい能力について、これから数回に分けてお話していこうと思います。
もし将来医者になりたいと思っている人、あるいはその親御さんにとって、このお話がその一助になれば幸いです。

 

コミュニケーション能力がなんと言っても重要です

 

これは医師を目指す人には、必ず身に着けておいてもらいたい能力ですね。

 

まぁコミュニケーション能力については、医師に限らずどんな職業でも成功をおさめるにはある程度必要な能力とも言えますけどね。
ただ医師については、コミュニケーション能力がないと本当にやっていけないと思います。

 

もちろん最初からそんな能力がある人ばかりではありませんが、少なくとも

人のことが好き

でないとやって行けなくなると思われます。

 

だいたい医業をする上では、絶対に人を相手にしないといけないわけですからね。
人が嫌いということならば、最初から医師を目指さない方が幸せかと思います。
無理してまで医者になる必要はないのですから。

 

コミュニケーション能力が重要な理由

 

ではなぜ医師にとってコミュニケーション能力は重要なのでしょうか。
その理由について順を追って説明していきますね。

 

1.チーム医療は必須だから

 

この言葉はドラマとかでも耳にしているかもしれませんね。

 

臨床をしていると、とても重要なのが

チーム医療

ということなんですね。

 

昔はどちらかというと医師中心で医療が行われてきたんでしょうが、最近はそうでもないんですよね。
もちろん医師の権限が強いことには変わりないんでしょうが、医療が細分化・専門化されるにつれて、医師だけではすべてをコントロールすることは不可能になってきています。
そこで活躍してくれるのがコメディカルの人たちなんですね。

 

コメディカル(パラメディカルとも言います)というのは、医師以外に医療に携わってくれている人達のことですね。
具体的には、看護師さんや放射線・臨床技師さん、リハビリの先生たちなどのことを指します。

 

医師間でもコミュニケーションを取ってうまくやらないともちろんダメなんですが、このコメディカルの人たちとうまくやっていくことも非常に重要なんです。
これができていないと、本当のチーム医療というものが成立しないんですよね。

 

特にプライドの高い人なんかで、時々コメディカルの人たちを蔑んでいるケースを見ることがあります。
看護師さんや技師さんなんかを馬鹿にしたり、信用していなかったり。

 

そういうのって簡単に見透かされてしまって、結局自分が痛い目を見ることがほとんどなんですよね。
特に看護師さんの間の噂って、あっという間に広がってしまうので怖いんですよ~(笑)

 

もし

「あの医者は使えない」

なんて言われてしまった日には、もうお先真っ暗ですから、本当に注意しないといけないです。

 

しかし医療者間でギクシャクしていると、最終的に被害を被るのは患者さんの方ですからね。
そういう意味でも、こういったコミュニケーション不足というのは絶対に避けなければいけないことなんです。

 

 

またときに治療をしていてうまくいかないケースとか出てくることがあるんですよね。
特に手術をした患者さんで、特に悪いことをしていないのにも関わらず、術後あまり調子がよくなかったり。
そういったときに、看護師さんが重要なサポートしてくれることがあるんです。

 

患者さん自身やその家族の人の悩みや心配ごとを聞いてくれること、これが患者さんとの関係の中で非常に大切なことなんです。
なかなか医者に対して言えないようなことも、そこで吸収してくれていることがあるんですよね。
そんな時に、看護師さんとのコミュニケーションがうまくいっていると、なかにはこちらの味方になって助けてくれることもあったりするんです。
「ちゃんと先生は見てくれていますよ」とか「先生を信用しれていれば大丈夫ですよ」とか言ってくれて。
また患者さんがどう思っているかといった情報を、看護師さん経由でこちらに提供してくれることもあったりします。
こういうのが患者さんとの関係を維持するうえで非常に重要なんですよね。

 

でももし看護師さんとの関係が破綻してしまっていると、そういったサポートも当然受けられなくなってしまいます。

 

また医療訴訟になるケースっていうのは、ほとんどが患者さんと医師の関係がうまくいっていないケースなんですよね。
治療の結果がもちろん重要ではあるのですが、多くの場合は感情的なこじれから訴訟に発展していってしまうのです。
そうならないように助けてくれるのが、実はコメディカルの人たちでもあるわけです。
しかし医師とそのコメディカルの人たちとの関係が破綻しているようでは、当然訴訟などに発展するリスクも高くなってしまうことは言うまでもないでしょう。

 

というわけで、いろいろな意味で医者とコメディカルの人たちの間のコミュニケーションがしっかりとれているということは重要なんです。

 

2. 患者さんとの信頼関係を築くため

 

これも言うまでもありませんよね。

 

たとえば自分が何か治療を受ける場合、コミュニケーションの取れない医師に治療をお願いしたいと思いますか?

 

当然誰も"うん"とは言いませんよね。

 

やはり医療をする上では、患者さんと医師の間に信頼関係ができていないと成立しません。
医師と患者さんの信頼関係を築くうえで、コミュニケーション能力というのは必須なんですよね。

 

特に最近だと病院もたくさんありますから、患者さんもある程度病院を選ぶことができます。
たとえば手術を受ける場合も、手術の実績はもちろんですが、信頼できない医師にお願いしたいとは思いませんよね。
患者さんが手術を受けてくれなければ、その医師の臨床経験が増えませんので、医師としてのスキルも伸びなくなってしまいます。
と、負のスパイラルに入っていってしまうんですね。

 

また先ほども触れたように、患者さんとの信頼関係ができていないと、訴訟に発展することが非常に多くなります。
医療者側から見たら、そんなに悪くなさそうに思えるようなことでも、なぜか訴えられている人とかいますからね。
もし治療上うまくいかなかったような場合でも、ある程度の信頼関係ができていれば、許してくれるということもありますからね。

自分の身を助ける意味でも、患者さんとのコミュニケーションがしっかりとれることは大切なことなんです。

 

3.医者の間で相談しやすい環境を作るため

 

病気と言っても世の中には本当に様々あるもので、自分の専門外の病気に出くわすこともたくさんあります。
そんな時に相談しやすい友人や先輩・後輩を持っていると、気軽に相談ができてとても助かるんです。

 

もし相談できないようだと、自分一人で抱え込んでしまって、解決できずにどんどん患者さんの状態が悪化していってしまうなんてこともあるわけで。
そういったときにコミュニケーション能力があると、ちょっと相談するだけでスッと解決できてしまうこともあるわけです。
もちろん逆に相談されるケースも増えますが、それはそれで自分の経験が増えることにもなりますからね。

 

医師同士でうまくコミュニケーションを取り合いながら治療をしている人は、治療もうまくいっているケースが多いと感じます。

 

コミュニケーション能力がないと医師に向かない?

 

ではコミュニケーション能力がないと、医師にはならない方が良いのでしょうか?

 

これはなかなか難しいところですが、もし自らコミュニケーション能力を改善させようという気があるのならば大丈夫だと思います。
実際自分も昔からそんなに言うほどのコミュニケーション能力を持っていたわけではないですからね。
現に今も「あるか?」と言われると、分からない面もありますが(^^;
それでも患者さんとのコミュニケーションはちゃんと取れていますし、信頼もしてもらえているから多分大丈夫なんだと思います。

 

もちろん最初からコミュニケーション能力が高い人だったら、いろいろな意味でうまくやって行けることは間違いありません。
でも「ちょっとコミュニケーション能力が低いかも?」と感じていたとしても、努力していけば徐々に磨かれていくものです。
下手に意固地にならずに、いろいろな人とお話をしていたりすれば必ず良くなっていきますよ。

 

小さい頃からコミュニケーション能力を伸ばしておけば医師として成功しやすいはず

 

医師でうまくやっていくには、コミュニケーション能力というのは必須と言えるものです。
これを小さい頃から磨いておけば、必ずや医師になってからもうまくいくと思われます。

 

ぜひ医師になりたい、あるいは医師にさせたいという子に対しては、コミュニケーション能力を磨いておくようにしてください。
本当に大切ですから。

 

またコミュニケーション能力を伸ばそうと思う場合に、やはり重要なのが

人のことが好きであること

だと思います。

 

人間嫌いでは、絶対にコミュニケーション能力を向上させることはできません。
とにかくいろいろな人と話をしたりすることが大切だと思います。

 

患者さんもいろいろな境遇の人がいますから、そういった人たちとうまくやっていくためにも、いろいろな人と仲良くできる能力というのは必要不可欠です。
医師に限らずですが、将来成功をおさめるためには、まず小さい頃からコミュニケーション能力をしっかり磨いておくことをお勧めしますよ。

 

『キングダム』で学ぶ最強のコミュニケーション力 [ 馬場 啓介 ]
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