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全集中のフロー状態に入って作業効率を上げていきましょう

"フロー状態"という言葉、聞いたことあるでしょうか?

 

どんな人でも

「ものごとに集中して取り組んでいたら、あっという間に時間が過ぎてしまっていた!!」

というような経験ってないですか。

 

この我を忘れて集中している状態がいわゆる"フロー状態"というものです。
今回はその"フロー状態"についてお話していきましょう。

 

フロー状態とは

 

"フロー状態"という言葉は、心理学者のミハイ・チクセントミハイが提唱した精神状態のことを指します。
別の言葉では"ゾーン"などとも言われています。

 

この状態に入っていると、ものすごく集中していて、最高のパフォーマンスを発揮できると言えるのです。
まさに"我を忘れた状態"というのが、この"フロー状態"ですね。
最近の流行りで言えば、まさに"全集中"と言えるかもしれません。

 

身近なところだと、ゲームなんかをしていて、「気が付いたら徹夜してしまってた」っていうのもひとつの"フロー状態"に含まれます。
自分も学生時代なんかはよくやってしまっていましたよ(笑)

 

そのほか楽器の練習をしているときとか、絵を描いているときなどもそういう状態に入りやすいと言えるでしょう。
またスポーツのトレーニングの中にも、そのような状態に入りやすいものもあるかと思います。
このブログを書いているのも、ある意味フロー状態に入って書いているかもしれません。
いつも気づいたら終わってしまっているような感じですので。

 

時間を忘れて物事に没頭しているんであれば、遊びも仕事も関係ありません。
それが"フロー状態"と呼ばれるものです。

 

フローについて詳しく知りたいという方は、ミハイ・チクセントミハイが書いているこの本なんかが分かりやすいかと思います。
興味のある方は是非読んでみてください。

 

 

 

 

フロー状態に入りやすい条件とは

 

どんなことにおいても、簡単にフロー状態に入れるのであれば、それが一番望ましいですよね。
しかし現実はそこまで甘くなかったりします。

 

ではどのような作業ならフロー状態に入りやすいのでしょうか。
それにはある条件を満たしているということが重要なのでした。

 

1.目標が明確であること

まず第一に、その作業に目標がないといけないということですね。
何も目標がなく、ダラダラやっている作業ではフロー状態には入りにくいと言えるでしょう。
「〇〇を達成する!!」というのが決まっていないと、集中もしにくいものですよね。

 

その作業の最終的な目標がはっきりしているものほど、それに向けてフロー状態に入りやすいということです。

 

2.達成感があること

どんな作業であっても、「何かを成し遂げた!!」という達成感を感じられる作業であることが重要なんです。
逆に、作業をやり終えても、特に何も感じないようなものでは、なかなかフロー状態に入りにくいとも言えます。

 

ある意味、感情を揺さぶられるような作業こそ、フロー状態に入って進めていくと、大きな成果が得やすいかもしれません。

 

3.自分の成長を感じられること

どんな作業でも、繰り返しやっていくと、時間が早くなったり、うまくやれるようになったりと、少しずつ上達していきますよね。
そんな上達を自分で実感できる作業ほど、フロー状態に入りやすいと言えるそうです。

 

あまり成長を感じられないような作業だと、逆にフローには入りにくいんですね。

 

4.楽しいと感じられること

これが実は最も大切なんじゃないかと自分は思っています。
つまり辛いとかつまらない作業では、絶対にフロー状態には入れないっていうことです。
考えてみても、イヤイヤやっている作業で時間を忘れて取り組むことなんてできないと思いませんか?
「早く終わらないかなぁ」なんて感じてやっている作業は、フロー状態には絶対に入れないと言えるでしょう。

 

ですから、フロー状態に入ることの最低条件として、「やっている作業が楽しい」と自分が思えるものでないとダメだと思います。

 

 

上に挙げた以外にもいろいろと条件があるようなのですが、自分の中ではこの4つが特に重要なんじゃないかと思っています。

 

以前"1万時間の法則"についてお話しました。

 

1万時間の法則を信じて継続することは重要です

続きを見る

 

この1万時間の法則で行われる作業も、フロー状態に入りやすいものが多いと思われます。

 

手術の時も、実はフロー状態に入っています

 

自分も脳外科医だけあって、現在も手術をしています。
そしてよく考えてみると、手術中もかなり"フロー状態"に入っていることが多いと感じています

 

例えば脳腫瘍の手術なんかだと、朝から始まって夜中まで終わらないなんてことも結構あります。
しかも一定時間ごとに交代というわけではなく、一人の術者がずーっと最後までやっていることが多いんです。
もちろん一人ですべてを完遂することは無理なので、他の助手の先生にも手伝ってはもらうんですけどね。
とはいえ、メインは一人の先生でやっているというイメージでしょうか。

 

普通に考えると、そんな長時間集中しているなんて無理と思いますよね?
しかし、これが不思議なことに、知らず知らずのうちにできてしまっているんですよね。
ほんとやっている本人は、まったく時間を気にしておらず、終わったら数時間経っていたなんてことはざらにあったりします。
周りの人にとっては、かなり迷惑な話かもしれませんが(^^;

 

患者さんからも

「手術中はトイレに行ったり、食事を取ったりしないんですか?」

と時々聞かれることがあります。

 

でも実際のところ、12時間以上の手術であっても、途中で「トイレに行きたい」とか「お腹すいたぁ」とかって感じることは意外とないんですよね。
それだけアドレナリンが出まくって、手術に集中しているんでしょうね。
その分、手術が終わったあとには、ヘロヘロに疲れて抜け殻のようになっていますけど…。

 

自分も学生の頃は

Tommy
そんなに長時間の手術なんて、絶対に無理!!!

って思っていました。

 

また若い頃に、助手として手術の横についていた時も

Tommy
こんなに長時間集中して手術なんてできないわ

って見ながら思っていました

 

しかし、いざ自分が術者となって手術に向かうようになると、これが本当に不思議なことに、なんとかこなせてしまうものなんですよね。
外科系の先生だったら、そういう感覚をきっと味わっていることと思います。

 

これがまさに"フロー状態"なんだって思っています。
そして先ほど挙げた4つの条件を、手術については見事にすべて満たしているんですよね。
だから手術中はフロー状態に入って、ものすごく集中して、効率よくミスなく手術ができているんだなぁって感じています。

 

つまらない作業でもフロー状態に入りやすくする方法

すべての作業でフロー状態に入ることができれば、常に最高のパフォーマンスを発揮できるはずです。
だとしたら、ぜひどんな作業でもフロー状態に入りやすいものに変えていきたいですよね。
しかし先ほど挙げたような条件を満たしていない作業では、なかなかフロー状態に入りにくいとも言えます。

 

ただどんな退屈な作業であっても、自分でそれをフロー状態に入りやすい作業に変えることも可能なんですよ。
どうしたらフロー状態に入りやすい作業に変えられるのか。

 

その答えは

作業をゲーム化する

ということなんです。

 

そしてゲーム化するにあたって、先ほど述べた4つを満たすゲームにしないといけないということになります。

 

1.目標を設定する

まずはその作業で何を達成するのかをまず明確にします。

 

たとえば単純な作業で、終わりがないようなつまらないものであっても

今日は1時間以内に作業を終わらせる

というような目標を持つということでもよいかと思います。

 

あるいは

〇〇さんよりも早く終わらせる

というものでもよいでしょう。

 

とにかく、本来の作業の目的でなくてもよいので、自分が楽しいと思えるような目標を作業を始める前に作るということです。
これがいわゆる"ゲーム化"の一つですね。

 

2.達成感を感じられるように仕向ける

このためには1.で述べた"目標の設定"が重要になってきます。
誰かに勝つでも、時間内に仕上げるでも、目標が達成できれば「やった!!」って思えますよね。
達成感を感じにくい作業こそ、達成感を感じられる目標を前もって作っておくと、どんな作業でも達成感を感じられるようになるはずです。

 

3.自分で成長を感じる

単純作業であっても「前回よりも時間を短縮できた!!」って感じることができれば、成長したなって思えますよね。
あるいは「前回よりも失敗が少なかった」とかでもよいでしょう。

 

そうやって以前の自分がやっていた作業と比較して、うまくあるいは早くできるようになった点を探してみましょう。
それが見つかれば、今後さらに成長したかどうかを追及していくと、成長を感じやすくなるかと思います。

 

4.楽しいと感じられるようにする

結局は作業を「楽しい」と感じられることが重要なんですよね。
その際に"ゲーム化する"と、つまらない作業も楽しいと感じられるようになるんですよね。

 

 

"トム・ソーヤの冒険"に出てくるペンキ塗りの話ってご存知ですか?

 

トムがいたずらの罰として、おばさんから壁のペンキ塗りを命じられます。
最初は嫌々やっていて、友達に手伝いを頼んでも誰も助けてくれません。
しかしペンキ塗りを楽しそうにやっていると、それを見ていた友達が
「面白そうだから自分にもやらせてくれ」
と言ってきます。
でもトムはそれを断ると
「リンゴをあげるからやらせて欲しい」
と言ってくる子まで出てくる始末。
最終的にプレゼントをもらった上に、仕事は友達にやってもらうことができたというお話です。

 

これはトムがうまいことやって得をしたという話ではあるのですが、この中に出てくる「楽しそうに作業をする」というのが重要なんですよね。
これがいわゆる"ゲーム化"にあたります。
つまらなそうなことでも、楽しそうにやっているゲームだったら、他の人も「ちょっとやってみたいかも」って思ったりしちゃいますもんね。
そう仕向ける工夫が必要ということです。

 

どんな作業もゲーム化して、フロー状態で効率を上げてみましょう

 

というわけで、今回はフロー状態についてと、それに入りやすくする方法についてのお話でした。

 

フロー状態に入りやすい作業とそうでない作業というがあるということは事実です。
手術なんかは自分の経験からも、ある意味フロー状態に入りやすい作業なんでしょうね。

 

しかしフロー状態に入りにくい作業であっても、それをゲーム化してしまえばフロー状態に入りやすくさせることは可能なんですね。
そのためには、上に挙げた4つのポイントをぜひ押さえて、つまらない作業もゲーム化してみてはどうでしょうか。

 

そうすれば時間も忘れて、作業に没頭して、効率よくこなすことができるようになる可能性も十分にあるかと思いますよ。
「つまらないなぁ」って思えることでも、ぜひゲーム化して楽しみながら、フロー状態に入って作業効率を上げるようにしてはいかがでしょうか?

 

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