カクテルパーティー効果という言葉、どこかで聞いたことがありますでしょうか?
この言葉自体は心理学などで主に使われてもいるものです。
しかしこの現象は脳の機能から考えても、とても面白い話なんですよね。
カクテルパーティー効果というのは、自分が注意を向けた情報だけがどんどん集まってくるという現象です。
これって良い方向に使えるのであれば、うまく利用しない手はないって思いませんか?
またカクテルパーティー効果は、引き寄せの法則とも関係しているなんて話もあります。
引き寄せの法則自体も奥が深いですし、自分もとても興味を持っております。
それと関係があるなんて聞くと、ちょっと気になってしまいますよね。
というわけで、今回はカクテルパーティー効果についてと、それをうまく取り入れてみてはどうでしょうか?というお話です。
目次
カクテルパーティー効果(Cooktail party effect)とは?
カクテルパーティー効果なんて、ちょっとしゃれた名前ですよね。
まずはこのカクテルパーティー効果とは一体どういうものかというところから解説していきましょう。
カクテルパーティー効果は、イギリスの認知心理学者 エドワード・コリン・チェリー(Edward Colin Cherry)によって提唱されたものです。
この人自体は、もともと聴覚の注意に関する研究をしていたそうです。
たくさんの人が同時にさまざまな会話を交わしている状況では、すべての会話を聞き取ることは不可能ですよね。
しかしその中でなぜか自分の名前が呼ばれたり、自分の興味があることだけは耳に入ってきたりしませんか?
また自分の興味のない内容に関しては全く聞こえてこないという。
人間は入ってくるたくさんの情報の中から、自分にとって必要と思うものだけを取捨選択しているんです。
しかもそれはずっと意識しているわけではなく、無意識下でもそのようなことを続けているのです。
このちょっと不思議な現象にコリン・チェリーが気付いたんですね。
カクテルパーティなどのちょっとうるさい環境でこのような状況が発生することから、この現象を"カクテルパーティー効果"と名付けたのでした。
簡単にまとめると
あふれる情報の中から、自分が必要とする情報だけをフィルタリングする能力
といっても良いでしょう。
カラーバス効果と言われるものにも似ています
カクテルパーティー効果に似たものとして、"カラーバス効果"というものもあるようです。
カラーバス効果というのは、色(color)を浴びる(bath)という意味で名前が付いたようですね。
具体的的な例としてよく挙げられているものには
と言われた場合。
知らず知らずのうちに、身の回りで赤色のものを探したりしてしまいませんか?
普段はまったく気にしていなかったのに、外に出ても赤色のものばかりが目に入ってきてしまう。
これがいわゆる"カラーバス効果"というものだそうです。
カラーバス効果も、いろいろな情報の中から自分が興味を持ったものを半分無意識に探すことを指しています。
ですからカクテルパーティー効果とよく似たものとは言えますよね。
ちなみにネット上では心理学用語にあるとして引用されているものをちらほら見かけます。
しかしこの現象自体は、何かの実験の結果で得られたものではないようですね。
実際に日本心理学会の研究会では、"カラーバス効果は正式なものではないと否定されているようです。
カラーバス効果という言葉は誰かが言い始めたもののようですが、勝手に独り歩きしていってしまったんでしょうか?
しかし音と色の違いはありますが、内容としては前述のカクテルパーティー効果とほぼ同じと言っても良いかもしれませんね。
脳幹網様体賦活系が注意の選択に関係している?
カクテルパーティー効果は、たくさんの情報の中から自分の興味を持ったものに注意を集中させるものです。
つまりは"選択的集中"といえる能力です。
それが脳のどこで処理されているかについては、非常に興味があるところなのですが、実はよく分かっていないんですよね。
一説には脳幹網様体賦活系(RAS:Reticular Activating System)が関与しているという話も見かけます。
しかしこちらもよくよく調べてみましたが、実際にRASが注意の選択に関係しているという文献は探すことができませんでした。
(もし知っている人がいたら教えてください!)
RAS自体は大脳と脊髄の間にある脳幹に存在しており、意識や覚醒レベルなどに関与していることは分かっています。
またここから大脳にいろいろな神経線維が放射していますので、もしかしたら複雑な機能を持っているのかもしれません。
しかし現状ではそれ以上のことは分かっていないといったところです。
実際のところ、脳幹の機能自体が非常に複雑なんですよね。
すごく小さな領域にたくさんの機能が凝縮されていますので。
しかもよく脳の機能を調べる時に用いられるfMRI(functional MRI)では評価しにくい部位でもあるのです。
だから「なかなか解明が進みにくいんじゃないかなぁ?」とも正直思っています。
もちろん将来的には、もっといろいろなことが分かってくるんでしょうけどね。
引き寄せの法則とカクテルパーティー効果
引き寄せの法則では、自分が無意識下でも考えていることが実現しやすいと言われていますよね。
これも実はカクテルパーティー効果の力によって、潜在意識レベルで引き寄せが実現しているのではないかなぁなんて考えています。
たとえば
良いことだけを考えて、悪いことを考えないように
などと言われることがありますよね。
良いことだけを考えていれば、どんどん良いことが引き寄せられてくると。
これはまさに"良いこと"に集中することで、良いことのみに注意を向けている状態になっているといえます。
しかも潜在意識レベルでそちらに注意が向いているとなると、その力はさらに強力となるはずです。
だって自分は何も意識していなくても、潜在意識が勝手に良いことに常に注意を向けていてくれるわけですからね。
騒がしい中で自分の名前が呼ばれたのに気づくのと同じレベルで、いろいろなできごとの中でも良いことに自然と気が付いてくれるってことです。
これはまさに
正のスパイラル
と言ってもいいでしょうね。
逆に悪いことばかりに目が行ってしまう場合。
今度は無意識下に、悪いことばかりに目を向けてしまう状態になっているということです。
ちょっとした悪いことでさえも、それが強調されて感じてしまうんですね。
良いことが起こっているにもかかわらず、そちらの情報には気づかずに悪いことばかりに注目してしまっているんです。
これでは先ほどと真逆で
負のスパイラル
と言えるでしょう。
図にするとこんな感じですかね。
こう考えてくると、引き寄せの法則というものも「起きたできごとをどうとらえることができるか?」という面も大きく影響しているような気がします。
ある意味"錯覚"とも言えるかもしれません。
うまいことこの"錯覚"を利用して良い面だけに注目することができれば、プラスの方向に進むことができるんでしょうね。
それによってどんどんプラスのものを引き寄せてきているように感じられるのかもしれません。
ポジティブ思考もカクテルパーティー効果が関係しているかも?
こう考えてくると、よく言われる"ポジティブ思考"と言うのもカクテルパーティー効果によって良い作用をもたらすような気がしませんか?
なんでもポジティブに考えられるのであれば、どんなできごとでもポジティブな面に注目できる。
それによってさらにポジティブなことが起きているのに気づいて、さらにポジティブになって行けると。
先ほど挙げた"正のスパイラル"ってのは、まさしくポジティブ思考の人に起こりそうな気がしますよね。
カクテルパーティー効果という側面から考えてみても、ポジティブ思考の人が成功するというのも納得ではありますね。
ちなみに以前"本当のポジティブ思考"ということについても書いていますので、良かったら読んでみてくださいね。
本当のポジティブ思考で生きていきましょう
続きを見る
備わっているカクテルパーティー効果という能力をうまく生かしていきませんか?
というわけで、今回はカクテルパーティー効果というものについて見てきました。
元来人間に備わっている、なかなか面白い能力だと思いませんか?
たしかに情報の洪水の中では、必要なものだけを取捨選択していかないと効率よく生きていくことはできませんものね。
そういう意味ではカクテルパーティー効果があるおかげで、日常生活で助かっている面も多々あるものと思われます。
こんな能力が備わっているのだったら、これをうまく生かしていかないともったいないですよね。
そのためには良いことに注目して、どんどん良いものを引き寄せてくるようにするというのがベストではないでしょうか?
これこそポジティブ思考が目指しているところと言えるでしょう。
逆に使い方を間違えると、どんどん悪い点ばかりに注目していってしまって、悪いものばかりが目に入ってネガティブになってしまう可能性もあります。
そうならないようにも注意しないといけないとも言えますね。
せっかくですから、これからは良いことに注意するようにしていきませんか?
特に潜在意識レベルまでそれを刷り込むことができれば、無意識の間にも常に良いことばかりに注目できるようになれちゃいますよ。
そんな生活ってすごく楽しそうに感じないですか?
いまがネガティブな状態にあるのなら、そこから一気にポジティブに持っていくのは難しいかもしれません。
しかしちょっとずつ変えていくことができれば、きっと良いことばかりがいっぱい周りに起きていると感じられるようになるかもしれませんよ。
カクテルパーティー効果の能力をみんな持っていますからね。
ぜひ自分の能力を信じて、良い方向に向かっていってくださいませ(^^)